1988年の思い出(その1)~運命の一冊「受験は要領」~

1988年。大学受験という思い出の詰まった年であり、特に書きたいことがたくさんあるので、数回に分けることにします。

ぐらつく自信

1987年12月、私は河合塾の冬期講習会に通いました。たしか、数学を受講したはずです。

場所は池袋。隣がラブホテルという、なんともいかがわしい立地。

河合塾は、駿台にない丁寧で温かみのある教え方がとても印象的でした。

ただ、授業のレベルは結構高くて、得意だと思っていた数学で少々自信を失いかけていました。

「典型問題はすらすら解けるのに、初見の問題となると全然手が出ない・・」こんな症状に本格的に悩まされるようになったのです。

東大入試の数学は、過去の焼き直しなんて生易しいものでないことは十分承知していたので、「東大なんて無理なのかな」と思い始めるようになったのです。

そんな時です。あの本に出会ったのは。

和田秀樹本の原点

1988年1月、場所は池袋パルコ5Fの「三省堂書店」。

偶然手にした一冊の本が、和田秀樹さんの「受験は要領」(ごま書房)。

いまや評論家として高名な和田秀樹さんですが、当時は全く無名の存在。

そんな無名の著者の本を手にした理由は、「たとえば、数学は解かずに解法を暗記せよ」という斬新なサブタイトルに惹かれたからです。

中を読み進めると、刺激的な「まえがき」が読者を挑発します。

受験は“要領”である。たとえば、数学は問題を解かずに、すぐ答えを見て解法を丸暗記する。カリカリ解いていては、時間がいくらあっても足りはしない。時間をかけて解いても、すぐ答えを憶えても、身につけば値打ちは同じだ。解法をたくさん暗記すれば、ほとんど問題は解ける。

こういう“要領”をいっぱい知っていれば、大学入試なんてバイク免許並みの暗記力テストだ。だが、大多数の受験生は、バカ正直にとり組んで、受験勉強を大事業にしてしまう。それは“要領”が悪いからにつきる。予備校に通ったり、予習したり、きれいなノートをつくったり、みんな受験の本質とは無縁のことだ。受験には、根性も才能も偏差値も関係ない。思考力を鍛えろなんて真っ赤な大ウソ。受験に創造性も論理性も知能指数も関係ない。きちんきちんと“暗記の貯金”を着実に積み上げていけば、自然に受かるのが、大学入試なのだ

和田秀樹「受験は要領」(ごま書房)まえがきより

すごい。ここまで喝破してしまう本は初めて見ました。

こういうのを掛け値なしの本音というのでしょう。

まえがきの後段、筆者の本音は加速します。

考えてみれば、受験勉強を一生懸命やっていい学歴を手に入れるほど、ラクでトクな処世術はない。ある雑誌の調査によると、都市銀行員の生涯賃金は四億五千万円にも達するそうだが、これが一流メーカーでは三億弱、二流企業では二億あまりにしかならないという。そのうえ、一流大学を卒業していれば、出世も早いだろうから、その収入の差はさらに大きくなるだろう。受験勉強を要領よくやるかやらないかでは、生涯賃金で二億円以上もの差がついてしまう。

(中略)

では、あと二億円を手に入れるためにはどれだけの時間が必要なのかというと、これがわずか一五〇〇時間でいいのである。

(中略)

一五〇〇時間で二億円を手に入れるのだから、時給に換算すると約十五万円になる。つまり、受験勉強は、時給十五万円という抜群に効率のいいアルバイトともいえるのだ。

和田秀樹「受験は要領」(ごま書房)まえがきより

震えましたね。正直。ここまで本音を開陳してくれるのであれば、信頼してみる価値があるのではと思い、この本をたよりに勉強を始めることにしたのです。

特に力を入れたのが数学。

「赤チャート」(数研出版)を購入して、章単位に裁断、ひたすら暗記をする日が続きました。

苦手だった数学Ⅰは、特に重点的に解法パターンを暗記、そして暗記した知識を頭から引っ張り出す訓練を繰り返したところ、高校の校内テストで2位(数学)という成績を収めたのです。

これで、東大に向かって一直線!!となればいいのですが、図に乗りやすい私は、Z会に手を出してしまったのです。結果論ですが、これが現役合格を阻んだ要因でした。

続きは次回。

コメント

  1. KmtckExiny より:
  2. am siteleri より:

    yandanxvurulmus.I3U6WkLi5JXz

  3. UtnvBrash より:
タイトルとURLをコピーしました